大島交流センター, 愛媛/Ehime JP(2017)

「大島交流センター」


交流センターとして場を提供するプラットフォーム


    構成とプログラム

当交流センターを構成する4つの単純な要素 : 矢羽根敷の地面・木のボックス・ガラス建具・屋根プレート。矢羽根敷の地面に立つ4つの木のボックスがフラットな屋根プレートを支え、その間にガラスの建具が差し込まれる。このシンプルな構成による建築が大島の風景の小さなシンボルとなる。

木のボックスにはそれぞれ機能や設備を配し、ボックス以外はできるだけ用途を限定しないよう内部空間を自由にしておく。したがって、交流スペースはさまざまな用途に柔軟に対応可能(フレキシブル)であり、ガラス引戸を開け放つことで外部へも繋がり、施設の内外を問わず、敷地全体が連続して利用できるようになっている。内部の中心にある大きな木のテーブルは、人が集まるカフェのテーブルとしてはもちろん、仕事のデスクとしても、陳列用のカウンターとしても使用できる。上がることができるフラットな屋根には、一層高い位置からのプラットフォームとして普段でも見晴らし良いスペースを提供するが、イヴェントの際はそこを舞台にして眼前のオープンスペースを会場のように使用することも出来る。


    構造

構造材は県産材のヒノキとし、価格や流通量が安定している一般流通材の製材品を使用する。屋根はフラットなプレート状とし、幅120mm×成240mmで材長4mの一般流通材を相欠きにより900mmグリッドの格子梁に組み合わせ、その両面から厚さ24mmの構造用合板で挟んで強度と剛性を高めたストレスト・スキンを構成する。そうすることで、屋根面に作用する人やモノなどの積載荷重や地震や風などの水平力を骨組全体に分散でき、冗長性の高い構造体の実現が可能となる。また、建方の際には、あらかじめ分割したパネルユニットを持ち上げて組み立てるなど、工期の短縮や予算の減額にも効果的である。その屋根を支える4つの木のボックスの内には900mmグリッドで120mm角のヒノキを配し、できるだけシンプルな操作によってこの構造原理を成立させている。


    材料

木のボックスは杉板縦張りで覆われ、テーブルやベンチ、ガラス建具の枠も同じ材料にすることで、親しみのある、シンプルかつ統一感のある空間構成となる。地面は屋内外を問わず、耐久性のある細長ブロック(コンクリート製インターロッキング)を地域独特の石垣の積み方(矢羽根積)をモチーフにしながら2サイズをランダムに敷き詰める。したがって、ガラス引戸を開けるとどこまでが室内でどこから屋外になるのかわからなくなり、自分のいる空間が広がるように感じる。屋根プレートは、ストレスト・スキンの上部から軒をケイカル板9mm+FRP 3mm、天井部分を構造用合板12mmとすることで内外の天井面を揃え、その際である建具箇所やボックスとの境に内外の仕切りを設けることで、雨などの水処理対策を行う。

構造設計 : 株式会社 エス・キューブ・アソシエイツ (京都)

製作協力 : 今井詩乃、下田宇大、鈴木凜、 真鍋遙

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